知識の拡張⑩ サルトル

知識とは知ったという衝動から始まり、構成されている。という意見も一理あることはたしかであろう。知った、という経験に基づいてひとつの知識を獲得するわけである。しかし黙認するだけで、すなわち視界に見える景色を眺めるだけで映像を知ることも可能であろう。石が置いてあるのを見るだけで石の外観を知ることができるのである。人間の知る速度というのは判断形式に委ねられている。高速で物の外観を知ることもできる方は判断が速いのであろう。

 

即自的物体を、それもその外観を見るとその物体は対他的物体になり得るであろう。その物体は生命としてこの現実に出ることも懸念される。透明人間の元であると呼ばれるためにはこの現実に透明人間として出ることが必要であろう。透明人間として出ると元は透明人間を介して対自的にならざるを得ない。