14歳からの哲学でお馴染みの、池田晶子の定義が、個人的には最もしっくりくる。
『道徳と倫理との違いとは、単純明快、強制と自由との違いである。「してはいけないからしない」、これは道徳であり、「したくないからしない」、これが倫理である。「罰せられるからしない」、これは道徳であり、「嫌だからしない」、これが倫理である。』
池田晶子氏の定義が光る文章である。強制性のある道徳と自由性のある倫理に分けられている。
何が正しくて、何が正しくないか、こうした課題は、してはいけないこと、すなわち道徳を貫くことが懸念される。してはいけないことをしないことは正しい、とも言える。
したくないこと、嫌なことをしない、というのは自分本位であり、道徳と区別されるであろう。善意志によってしたくないことをしない、という状況も間違ってはいないだろう。家のここで座っているだけで誰かが幸せになる、というのなら、動くというしたくないことをしないでいるだけで誰かが幸せになった、という状況もあるであろう。