「ニヒリズム」を虚無主義と訳して、否定的に考える人がいるけど、ニイチェのいう「ニヒリズム」というのは私たちがその言葉からイメージするものとは反対なんです。 ニイチェは「ニヒリズム」は古代ギリシャからずっと続いているヨーロッパの歴史の通奏低音であって、今に始まったものではないと言っています。 古代ギリシャのプラトンは天に永遠の「イデア」があり、その「イデア」の世界こそ真の実在であり、私たちの住む地上の世界は真の実在の世界ではなく、仮象、ニセモノに過ぎないと言いました。 これを形而上学と言い、このプラトンの「イデア論」を古代末期のプロティノスは「一者」「イデア」の発出による世界の創造という新・プラトン主義を唱え、さらにそれが聖アウグスティヌスによって、神による世界の創造というユダヤ・キリスト教のドグマに受け継がれ、プラトンの「イデア」は神になりました。 こうして中世キリスト教世界は、天に神がいて、地上に人間がいる、そのような世界を神が創造したという。 そして神はまた、上に王侯貴族がいて、下に農奴や農民がいる身分制度を作って、地上の世界を秩序あらしめたという。 だから、このような身分制度は神が作ったのだから、恒久不変であり、それを人為的に変更できないと言って、農奴や農民を奴隷のような身分に落として苦しめてきた。 神がいて、世界の意味や人生の意味は神が与えるものであり、人間は神の前にひれ伏して、地上の苦難を天国で贖ってくれるものと教えられ、奴隷の身分にやすんできた。 ニイチェに言わせればキリスト教は「ニヒリズムの宗教」です。 なぜならば、もともと人生や世界は意味なんてないのが真実なのに、神がいるから意味があると言って人生の真実を「隠ぺい」してきた。 そしてキリスト教は貧しいものこそ、幸いである、なぜならば富める者は天国に行けないからである、人はパンのみにて生きるに非ず、キリストの福音によって生きるという、そう言って天国という「空手形」で民衆を瞞着してきた。 ニイチェに言わせれば、それこそが「ニヒリズム」。 「ニヒリズム」とは人生に意味がない、虚無というのではなしに、逆で、意味なんか無いのに意味があるといって人生の真実を「隠ぺい」することなんだ。 キリスト教は、それを大々的にやってきた。 ニイチェは言う、天に超越的な神がいて、天国という本当の世界があり、地上の私たちの世界はニセモノの世界であり、仮の世界、仮象だなんてウソだ、むしろこの地上の私たちの世界こそ本当の世界であり、天に神だとか天国があるなんてことはない、と。 「神は死んだ」、つまりこの世界を超える超越的な価値は死んだ。 あるのは私たちの地上の世界だけであり、感性的な世界だけである。 そして人生に意味はない、無意味。 でも、無意味だっていいじゃないか、それが人生の真実ならば。 私は却って無を欲する、無が永遠に繰り返してもいい、無を意志する。 こうしてニイチェは「永遠回帰」を唱える。 ニイチェは最高価値の価値転換を唱える。 最高価値とはキリスト教の価値観、そして価値転換とはそのキリスト教の価値観をひっくり返すということ。 キリスト教が「消極的ニヒリズム」とすれば、ニイチェの唱えるそれは「積極的ニヒリズム」。 「力への意志」は目標を持たず、意味を求めず、ただその力の増大と強化を志向する。 だからその力の弱体化をもたらす価値を排除する。 キリスト教は弱者の「ルサンチマン・憎悪」の宗教、これまでそうやって人間をダメにしてきた。 これからは強者の強者のための社会にしてゆかねばならない。 これがニイチェのいう「ニヒリズム」です。 (質問...etc...より)
ニーチェはキリスト教をニヒリズムの宗教と看破し、隠ぺいの幕開けとさえ考えた。天動説がキリスト教の創世記に掲載されたが、これはコペルニクスの地動説によって終幕を迎えます。創世記に誤った内容が掲載されたことが発覚したことによって、キリスト教信者の重荷になることはなかったようです。信者に特に負い目があったわけではない。
ところで、中世ヨーロッパで天動説を強く支持していたキリスト教でしたが、その後、地動説が世の中の主流になってからも決して地動説を認めることはありませんでした。
そして何と、キリスト教(ローマ法王庁)が地動説を正式に認めたのは20世紀の終わりのことです。
17世紀、「ガリレオ・ガリレイ」の地動説を認めず宗教裁判で有罪としていたローマ法王庁ですが、1992年に当時のローマ法王「ヨハネ・パウロ2世」は当時の裁判の非を認めて、初めて公に謝罪をしました。
しかしながら、地動説ではなく、フラットアース説を私は提唱しています。地陸を提唱したのは、ヘーゲルでもあります。ヘーゲルは「この世界は地陸」と発言したこともあります。球体の地球も太陽もない。月と太陽は幻覚態である。誰かが意図的に空に映るように見せているのではないか。星も存在しない。天体観測のデータは偽りであろう。