ヒューム

「第一章 知性について」 では、人間の心に現れる知覚を「印象」と「観念」に区分けする。「印象」とは「観念」よりも勢いよく飛び込んでくるものであり、「観念」とは勢いのない思考や推論、これらの心象を示すこととする。また、「印象」には「感覚」の印象と「反省」の印象とにヒュームは区別する。印象が感覚機能を刺激して、快や不快を生じさせる。この印象がふたたび写し取られ観念として残るが、欲望や嫌悪などの新たな印象を生むと反省の印象ともなる。ヒュームはこの反省の印象が対応する観念に対して生じ、感覚の印象よりも先になると述べる。この辺は分かりにくいが、人間の心の本性と原理を解明するには、まずこの観念を説明しなければならないのである。 

先に述べた勢いのない思考や推論、これらの心象としての観念が連合していく。単純な観念は想像によって分離され、想像によって観念を呼び寄せ連合を生じさせる。この別の観念へと移らせるには「類似」、時間的もしくは場所的「近接」、そして「原因と結果」の三つがある。このような観念連合は複雑観念として、「関係」、「様相」、「実体」とに区別できるのである。この観念連合を取得していくのが人間の経験なのである。