釈迦の教え 色即是空

 

 

 

般若心経に「色即是空・空即是色」と書いてあります。「色」とは目に見えている物質です。「空」空間のことです。空間には何も無いと考えているようですが、空間にも空気や水蒸気ホコリや胞子など目には見えない物質が沢山あります。海や川から蒸発した水蒸気は雨となって目に見える色に変わり地上に戻ってきます。山や建物は風化され埃となって空間を漂い地上に戻って物質の一部となります。植物も二酸化炭素を原料に成長し、枯れて土の一部となる。これが「色即是空」「空即是色」です。 水や氷や雲は「色」であるが水蒸気のように見えなくなれば「空」となる。物質や体のように目に見えているものが「色」であり、物が原子や分子にまで分解されて見えなくなれば「空」になる。植物や動物が食べられ消化されても消滅したのではなく食べた動物の体の中で形を変えて存在し続けている。原子や分子にまで分解され実体が無くなったことを「空」に還ったと言うのです。この世界はすべて色と空でできており、物質は色と空を行き来し姿かたちを変えて変化しているだけなのです。それを新たに生じることも無ければ消滅することもない、増えたり減ったりすることもない「不生不滅」「不増不減」であると書いてあります。 この世に存在する物は全て変化しています一年や二年では気づきませんが、30年前40年前と全く変わらない物など存在しません。変化する前の過去の物はどこに行ったのか。それを空に帰ったと言います。従ってこの世に存在する物はすべて空である。自分の身体で言えば子供の時の身体はどこに行ったのか。子どもの時の身体は空に帰ったのです。 「舍利子!是諸法空相,不生不滅、不染不淨、不增不減、非過去非未來非現在。」 (大般若波羅蜜多経第四) 舍利子よ。諸法(この世に存在する全ての物)が本来、空の姿であり、生じない、消滅しない。汚れない、綺麗にならない。増えない、減らない。過去も無く、未来もなく、現在も無い。