人間知性論

01.観念(idea): 特に説明は不要であると思う。我々が常日頃、この訳語で知られる意味とそう大差はない。ただし、ロックにおいては人間の知性が観念を得る場合(正確には単純・・観念)、2つのルートがあるとされる。一つが感覚であり、もう一つが内省である。また、人間が生まれながらにしてなんらかの観念をその心に印銘されているとするスコラ的議論をロックは否定する。そこで唱えられるのが、著名な「ぬぐわれた書板(タブラ・ラサ)」であり、近代認識論の文字通りの出発点となる。
02.感覚(sensation): 感覚とは、我々の感官によって得られる別個の (可感的)事物に対する外的な・・・覚知のことである。
03.内省(reflection): 内省とは、我々の心の様々な作用に関する内的な・・・覚知である。また、感覚、内省、いずれにおいてもそれらによって初めて知性は観念を持ちうるゆえに、これらの前では知性はただただ受動的・・・にならざるを得ない。

 

生得観念をロックは否定する。私たちは経験しなければ何も吸収することはできない、とロックは考える。

 

私たちはどんな色も置いていないキャンパスに経験することで色を染めていく。

 

ロックによれば感覚した内容によって経験が紡がれていく、としている。

 

私見では、感知した内容を記憶に留めていく、といった方が無難かと思う。

 

ロックは「感知」という言葉を使用していない。感覚によるところが大きいと視ているが、感性的判断という言葉も使用していない。