自己とは何か

自己とは何か。自己のことを自己が判断することは、容易なことのように感じることもある。しかし、自己とは何か、というと透明人間であるとか生命体であるという抽象的な回答を出してしまう可能性がある。

 

自己とは精神的な存在であり、ハイデガーでいう本来的な自己、あるいは非本来的な自己とも言えよう。しかし私は過去に『私は存在しない』と書いた。自己はあらゆる仮面を被りつつ、無我の境地が真髄なのである。自己は目に見えない、誰も発見できない、とされる。そもそも自己が存在していない。

 

ハイデガーの存在とは何か。という問いには現存在の存在は存在しない、ということが懸念される。しかしテーブルは存在している。形がはっきり定まっている。人間のような存在者は存在しない。物体的な存在が存在するとも言えよう。